2015年2月1日日曜日

月は昇るし日は沈む


どういうわけか今、石垣島に住んでいるが、先日、ちょっとそこまで、のノリで日帰り予定で波照間島に足を伸ばしたらまんまと帰りの船が欠航して一晩波照間ですごすハメになった。
私は日本の田舎の暗闇が心底苦手なのだが、波照間くんだりまでくると夜はほんとにもう絶望的に真っ暗で、晩飯のために入った集落の居酒屋から民宿までのちゃりんこ道は、さとうきび畑がザワワするたび戦慄。
住んでる石垣島のほうでも風が強い。風がボーボーと吹きつける夜はなお怖い。雨なんか降っていたらいよいよに怖い。ふとんを頭からかぶって隠れていたい気分。雨風吹かない夜でも、今度は遠くリーフで砕ける波音が低くゴーーぉっと響いてくる。それがまた怖い。
唯一あまり怖くない夜は、雨上がりの夜だ。なんのカエルか知らないが、中音域のかなりの大音量で大騒ぎしている。そのカエルがないているときだけは魑魅魍魎が祓われているような安心感がある。

暗闇への恐怖心は年々ひどくなるばかりだが、同様に最近ひどいのが海への恐怖。あんなに世界中どこの海でもざぶんざぶん泳ぎまくっていたのに、どうもこのところ海に入るのが怖い。入るのが怖いだけでなく、世界各地で覗いてきた海の中の様子を「思い出すだけ」で恐怖で肝が縮こまる。

夜の暗さ、海のうねり、鳴りやむことのない波の音・・・ああおそろしや。

さとうきびを炊きあげる甘いかおりが漂う波照間の精糖工場。人間なんてほんとうにラララ。