2010年11月9日火曜日

エジプトの青

エジプトの街の印象は中国と似ている。
街の汚さ、ほこりっぽさ、雑多でプラッチックな感じ、猛烈なトラフィックで道路を横切るのは命がけ、、、そんなところは中国ソックリで、歩いている人の顔と看板の文字を取っ替えたらすっかり中国と見間違えるだろう。
物価も相当に安い。
治安もけして悪くない。

ちょっと違うのは、中国はどこいっても爆発的な経済成長のエネルギーというかモリモリな野心を感じるんだが、エジプトにはどーにもそれがない。決定的にない。金よりもアッラーが大事。
10年たっても20年たっても30年たってもここン国はあまり変わっていないだろうなあという気がする。頼むよ、えじぷとぉ、と思うがまぁどなたさまもヨロシクやってるんだからそれでいいのかもしんない。

最初に入ったカイロから、夜行列車で一挙にアスワンまで南下。
鉄道のレベル感も中国に似ている。
さすがにこの車両(普通席)に夜行で乗る自信はなかったので、1等指定席を確保させていただきましたケド。

ここまでくると、中東というよりだいぶアフリカ感が出てくる。
アスワンのおっさん達。

美しいマーケット。

アスワンの街は夜もなかなかに味わい深い。
廃車。NYあたりの美術館にあってもよさそうな完璧な造形。

基本的に街は薄暗いので、窓の光がぽわっとしててとても画になります。

ちょっとシティオブゴッド的なにおい。
エジプト人たらこの淡いターコイズのペンキがやたら好きらしい。

アスワンから、ルクソールに移動。
長距離バスが立ち寄る休憩所。ここもその水色。

ルクソールの宿の窓から、となりの商店。
ここも同じ色。

ナイル川のほとり。

ハトシェプスト女王葬祭殿。
私、青く塗られた天井に星や月、というモチーフが大好きなんですケド(とくにモザイクだと萌える)、それってイスラムやキリストのものかと思っていたのだが、ルクソールに来て分かったんだが、3500年前からエジプトの美術にあるモチーフなのだ!
しかも見よ、この色、なんと3500年前からそのまま残っているオリジナルの色なんだそうだ。すげえ!(あまりに美しい色なので実は未だちょっと疑っているんだが)ブルーはラピスラズリからとっている色だそうだ。好きな石だ、ラピスラズリ。

ルクソールにある、王家の谷というファラオ達の墓場群を彩る壁画たちはそれはそれは圧巻なのだが、写真撮影が不可なので、お見せできるのはこのハトシェプストの壁画だけです。あぁ、ルクソールの美術は素晴らしかった。戻りたい。戻ろうか。いや暑いからやめておこう。

空の青が目にしみる。

ゴミ捨て場にいつもたかっている猫と山羊。たまに犬もやってきて、みんなで仲良くゴミを漁っている。

エジプトの田舎のほうでは、みんな自転車みたいにmyロバの背中に乗っている。そしてロバ君達はどこにいってもあーやだやだ、という顔で、でもしょうがなく働いている。私もロバが欲しくなっちゃったじゃんか。

玉子屋のおっさん。
「割らんといてや!」「おうまかしとけ!」。

おっさんとロバ。ほんま、アラブのおっさんたちは実に画になる。

ひるがえる洗濯物の白いドレス。

ぬあー。ロバ君。かわいい!でもまぁ頑張って働けよ!お前!

夜のルクソール神殿がまたバカバカしく巨大で華々しいので必見です。

そしてルクソールから、今度はシナイ半島に一挙に移動。
紅海沿いにぐるっとシナイ半島回り込んでダハブまで。バスで所要19時間!
道中、陸は、ひたすら過酷な岩&砂漠なんだが、その先にパッと青い海がいきなりひらくすげー不思議な光景なのだ。


海辺でだれるラクダ。働けよ、ごるぁ!

そしてシナイ半島のダハブ、という街までたどりつくとそこはもう、欧米人がうじゃうじゃいるダイビングリゾート。

ダハブの夕暮れ。
遠くに見えているのはモーセが十戒を授かったシナイ山(だと思う)。

ダハブがちょっとうざ気味なので北に2時間ほど移動して、なんとかかんとかっていう村へ。
ここまでくると、対岸に、サウジアラビア、ヨルダン、イスラエル、すべて見えるのだ。わずか15kmほどの距離の間に、エジプト含め4つの国が接岸し、ひしめき合っているという不思議な湾岸エリア。(見えますかね、むこうにうっすらアラビア半島)

このビーチのこの掘っ立て小屋で一夜明かしたが猛烈な蚊の大群におそわれてえらい目にあった。

紅海は、タイの海とエーゲ海の中間ぐらいの味わいだろうか。
深みに目をやると吸い込まれそうな青なのに(エーゲ海)、リーフにはアホほど熱帯魚がうようよ(タイ)います。
もうちょっとこの人気のないビーチでのんびりしようと思いましたが、あまりにも蚊の気が多くて、疲れ果てちゃったのでもうヨルダンに渡っちゃいました。これ、ヨルダンのお金。アラビア文字で、1/2、1/4、と書いてあるのです。それぞれ、0.5ヨルダンディナール(≒50円)、0.25ヨルダンディナール(≒25円)、わっかりにきーっつーの!

街の壁の青、ラピスラズリの青、海の青、、、青が美しいエジプトであった。
さ、あしたはペトラだ。観光だ観光だ!

3 件のコメント:

  1. こんばんは
    すごいなーどの写真も美しい!
    素敵な写真集もできそうですね!

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  2. 今回はロバとらくだと迷って、
    あおいそらと車の写真を壁紙に。
    そして最後のお金をみたとき、あべちゃんの
    生命線の濃さ?を実感w

    しばらく更新なかったから心配したぜー。

    今回もごちそうさまでした。

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  3. >storage-unitさん
    どうもどうもー。いやーカメラがいいんですよ、ってうかそのカメラがまた壊れちゃったYO!!!!

    >のんさん
    はっはっは、自分でも見ほれてしまう私の手相の掘りの深さである。
    しかも生命線が特に年々濃く長くなっているような気がする(笑)

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