2012年8月21日火曜日

仕事とは

たまらん本に出会っちった。
商売繁盛ー昨今職業づくし
 いろんな仕事人達のインタビュー集。


しかし、、1976年8月初版、とあるから、、実に36年前だ。。

しかも、でてくる仕事人達が、なんともいえない普通の人々。。 

今時の、プロジェクトXやら、仕事の流儀やら、カンブリア宮殿やら情熱大陸にでてくるような、華々しい活躍をする各業界人とかでなく、ほんとにそのへんにいる普通の人々。

 映画館の売店のおっさん、ちり紙交換のおっさん、池袋駅の改札駅員、剥製屋の主人、帽子屋の主人、おしぼり屋の奥さん、アドバルーン(!)屋の女主人、ホオズキ農家、家庭教師の早稲田大生のお兄ちゃん(!)、、、 
戦後はどうだった、とか、最近の時勢で商売はこう変化していて、とか、何がよく売れる、とか商売上の工夫とか、商売上の勘所のはなしとか、、、
なんでもない話なのにむやみにおもしろくて電車のなかでニヤニヤしてヤバイ人みたいになっちゃう系。

私が生まれたのは、1977年なので、彼等の話の時代の空気感も、少しはわかるのがまたいいんだろうな。ちり紙交換とかね。
仕事への愛、誇りに満ちているけど、肩に力が入っている感じは全くなくあくまで普通。
書いている方がそういう風に書こうとしているからに間違いないんだけど。

先に挙げたテレビ番組や、昨今はやりのビジネス書はこの本と比べるとほんと下品でいやらしい。(下品でいやらしいからおもしろいんだけどw)

しかしこの本にでてくる普通の人は、なんかみんな血が通ってる。
演出により無理クリ血を通わせている昨今のほにゃらら、とは違って、ありのままで血が通ってる。

商売あがったりでも順調でも、なんかイキイキ。愚痴すらイキイキ。
ぐいぐい経済が成長してる時ってのは、そんなもんなのかな。
まいいや、いうほどヤボだ。。

普通のいとおしさと、この頃の社会の気分、みたいなのがすごく出ている(と思われる)とってもいい本です。

著者の、三宅菊子という人は、ananの創刊メンバーであり、マガハのエルジャポン、クロワッサンの隆盛をささえたライター・編集者だそう。
この方が今月亡くなったそうで、それでなんかのついでで話題にあがって知ったんだけど。
白州正子や宇野千代とも親交があって、仕事仲間で、、とかそういうことらしいけどなんというか、、、時代だよね。。

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