2011年7月4日月曜日

プツっと

きのう、私がなかなか気に入っているシギスヴァルト・クイケンというヴァイオリニストのコンサートに行った。
この人は、古楽器といって、バロック以前のスタイルの楽器で、その当時の奏法でやる、ということにかけてそのスジでよく名が知れている。つまり今普通にクラッシックでオーケストラの中で使われているような一般的な楽器達は例えばバッハの頃の楽器とずえんずえん違うんであるんだけども、いやいや当時のままでやろうよ、というのが彼等の流儀。
わかりやすく違うポイントはまず弦楽器の弦が違う。
今どきの弦はスチールでできているんだけど、古楽器の弦はガット弦といって牛だか豚だか羊だかの腸。それでこの弦は切れやすいそうなんだが、今日ほんとにコンサートの最中に切れた。プツっと。
それでいったん中断して、弦を張りなおしてから最初からスタート、という仕切り。
こういうことはありそうでほとんどないハプニングなのでなんか珍しいものを見たきがしてちょっと得した気になったもんです。

さて前置きが長くなっちゃったんだけど、それでそんなことがあって思い出したのは私が最も尊敬するヴァイオリニストかもしれない五嶋みどりのものすごい映像。すごいんだよこれ。見て見て。



もちろんみどりチャンが2へんもやらかしたのはガット弦ではなくスチールです。
演奏後の後ろのオケメンバーの様子に注意してもらうとより現場の感動がわかるんだが、普通、彼らはどんだけソリストが素晴らしい演奏をしても、いちおう自分たちも演者側であるわけだからこんなにわかりやすくソリストに拍手をおくるなんてことはめったにないことなんだ(足を踏みならしたりして賛辞を送るのはよくある)。

しかし五嶋みどりのヴァイオリンは完全、完璧。絶対的に美しいんだ。なんか機会があったら聞きにいってみてね。

今年はルツェルン音楽祭にでもいってこようかなー。

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